設立趣旨

わが国では急激な社会・文化変化、特にバーチャルコミュニケーション時代の到来に伴い、1980年代から若者の「社会的ひきこもり」が急増し、内閣府の調査によると、2015年の時点で約70万人がひきこもり状態にあると推定されています。そして、そればかりかその半数が10年以上もひきこもり状態を続けており、人数のみならず、その長期化は深刻な社会問題となっています。

私たちはこういった社会的ひきこもり状態にある人たちへの支援として、2002年に開発したひきこもり回復支援プログラムにのっとり、精神科医、臨床心理士、精神保健福祉士、メンタルサポーター(ひきこもり経験がある当事者)によるひきこもり回復支援の専門家集団を形成し、大学や病院等で様々なひきこもり回復支援活動を展開してきました。その一つが、自由に集う居場所と仲間作りや、メンタルサポーターの派遣によるアウトリーチ型支援などです。その結果、長期に渡りひきこもっていた若者の多くが外出可能になり、就職・復学に成功するなど、社会参加が可能となりました。地域からの要望もあり、今後は、まだひきこもり支援活動が十分でない地域に私たちの活動を拡大することにより、より多くの若者に支援の手を広げていきたいと考えています。

今回、法人として申請するに至ったのは、これまでの活動を都市部だけでなく、地域に定着させ継続的に推進していくこと、行政や他団体との連携を深めていく必要があることなどの観点から、社会的にも認められた公的な組織にしていくことが最良であると考えたからです。

また、当団体の活動は営利目的ではなく、一人でも多くのひきこもる若者、あるいはその家族の方の力になりたいという思いから出発していることから、会社法人格ではなく特定非営利活動法人格を取得するのが望ましいと考えています。

法人化することで、組織を発展させ、ひきこもり状態からの回復に必要な、長期的展望に立った地域でのひきこもり支援プログラムや活動を確立することができ、精神保健福祉分野を中心に地域社会に大きく貢献できると考えています。

煙樹ケ浜の風景

煙樹ケ浜の風景

2017年 12月 1日

特定非営利活動法人ヴィダ・リブレ

理事長 宮西 照夫

1.目的

この法人は、社会的ひきこもり状況に苦しむ若者に対して、ひきこもり状態やネット依存状態からの回復と、社会参加を促進する事業を運営する。この活動を通して若者の社会性をはぐくみ、地域社会での生活を支え、若者がいきいきと生活できる地域づくりに寄与することを目的とする。

2.特定非営利活動の種類

この法人は前条の目的を達成するため、次に掲げる種類の特定非営利活動を行う。

(1)保健、医療又は福祉の増進を図る活動

(2)学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動

(3)災害救援活動

(4)国際協力の活動

(5)職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動

(6)前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動